1995/03/02

最北端へ…5泊6日、宗谷岬への旅 2日目 村上~札幌

平成7年3月1日から6日にかけて、青春18きっぷとオール夜行列車で、冬の北海道・宗谷岬へ出かけました。 ここでは、その旅行記をご紹介します。

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第2日 平成7年3月2日(木)

新宿 23:03 → 6:12 村上(その2)

5時12分に新潟に到着、乗客が降りて席が少し空く。新潟からは自由席となるので、空いた席に移り、2席を独占して座る。外はまだ暗い。朝の歯磨きをしようと洗面台に行くが、女性が使用中であった。すぐに終わるだろうと察し、歯ブラシを取り出して水だけ借りて磨き始めることにする。ところがその女性はなかなか洗面台の使用が終わらず、そのあいだ私はずっと歯を磨いている。10分くらいしてようやく洗面台があき、ようやく口をすすぐことができた。こんなに長く歯を磨いたのは初めてである。終着の村上に着くころ、ようやく空が明るくなってきた。

村上 6:17 → 8:36 酒田

村上に着き、地下道を通って酒田行きの普通列車に乗り換える。4両編成で、オールクロスシートの車両あり、オールロングシートの車両あり、これらが組み合わされた車両ありと、バラエティーに富んでいる。村上を発車して、窓の外には日本海が広がる。しばらくすると車掌から粟島についてのアナウンスがある。粟島は村上沖に浮かぶ小さな島で、粟粒のように見えることからこう名付けられたらしい。なるほど日本海のはるか沖に、粟粒のような小さな島が浮かんでいるのが見える(写真)。北に行くにつれ、雪が深くなってきた。鶴岡でたくさんの客が降りる。車掌の東北なまりの放送がなかなかよかった。

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日本海に浮かぶ粟島

酒田 9:48 → 11:58 秋田

酒田から秋田行きの普通列車に乗る。山側の窓からは雪で真っ白になった鳥海山が綺麗に見え、思わずスキーがしたくなる。反対側の窓から見える日本海は、相変わらず荒れている。象潟を過ぎて少し吹雪いてきた。隣の席ではおばさんたちが世間話をしているが、完全な東北弁で、何を言っているのかさっぱり理解できない。

秋田行きは、オールロングシートの3両編成の新型電車である(写真)。この電車は寒冷地仕様で、ボタンを押さないとドアが開かない。駅に着いてもランプが点くだけで、ドアの開く音も聞こえず寂しい。この電車に初めて乗ったらしいおばあさんが、ドアの開け方が分からずに、降りる駅を過ぎてしまったようで、車掌を困らせている。車掌が一生懸命ドアの開け方を教えようとするが、なかなか理解できないようだ。行き違い列車と対向する駅で、おばあさんは車掌に連れられて反対方向の電車に乗り換えていった。

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酒田駅

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酒田駅にて

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羽後本荘駅にて由利高原鉄道の車両

秋田 12:14 → 15:27 青森

青森行きの快速しらかみ3号は、2両編成のワンマンカーである。秋田で乗り換えたときにはすでに満員で、空席を見つけて何とか座る。吹雪もおさまり日が照ってきて、雪の反射がまぶしい。東能代で少し乗客が降りて、高校生がたくさん乗ってきたが、次の駅でほとんど降りてしまった。もう窓の外は、一面真っ白である。

しらかみ3号は大館からは普通列車となり、弘前からは車掌が乗車してきた。ムーンライト号でも見かけたカップルが、高校の帝国書院の地図帳を見ている。一方私はワラヂヤの道路地図を見て現在地を確認する。やっぱり地図帳は帝国書院、道路地図はワラヂヤに限るとあらためて思った。

雪がさらに深くなってきて、地元の人は長靴やブーツを履いている人が多い。列車は雪の中を走り、列車の風で雪が舞い上げられて美しい。いつのまにか寝てしまい、目が覚めたときは青森に到着する直前であった。

青森 16:08 → 18:49 函館

青森に着くとすでに函館行きの海峡13号は停車中で、窓ぎわに席を確保する。自由席は発車の30分前に、ほぼ席が埋まってしまった。一旦改札を出て、夕食用の駅弁を購入する。 青森を発車して津軽海峡線を走る。雪が舞い、窓の外は真っ白で何も見えない。17時06分、9つの地上トンネルの後に青函トンネルに突入した。トンネル内では車内の電光掲示板で現在地などが案内され、45分で青函トンネルを抜け、ついに北海道に入った。トンネルに入る前はまだ明るかったのに、外はもう暗くなっていた。

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快速海峡

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青森駅

函館

20時15分、函館駅前から定期観光バス「夜山のロマンコース」に乗って函館山へ向かう。バスは、湯ノ川温泉からの客でほぼ満席で、駅前から乗った客の中には補助席に座る人もいる。ガイドさんの話では、今日は雪が舞っていて函館山の頂上が見えないので、夜景は期待できないかもしれないらしい。

函館山の山麓に着いた。夏場はバスでそのまま頂上に登るらしいのだが、冬は雪で登山道路は通行止めで、ロープウェイで山頂に登る。展望台に到着すると、先ほどまで散っていた雪はやみ、函館の百万ドルの夜景がとても綺麗に見える。私を含め、みんな夜景の美しさに言葉を失ってしまった(写真)。21時00分発の最終のロープウェイで山を降りると、また雪が降りだした。再びバスに乗って、函館駅へ戻る。

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函館山ロープウェイ

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函館山より夜景を望む

函館 23:30 → 6:30 札幌

札幌行きのノンストップ快速ミッドナイト号は、発車の1時間も前の22時30分に早くも入線した(写真)。青春18切符は0時を過ぎて次に停車する駅までが有効範囲である。私はこのルールを使い、函館を23時30分に発車した後は終点までノンストップであるのをいいことに、札幌までほとんどただ乗りする。翌日は、普通の切符を使う予定である。

ミッドナイト号はカーペット車で、横になって足を延ばして寝ることができる。車内に入り、夜遅くまでしゃべってうるさいと思われるグループ連れのいるところを避けて場所をキープ。車掌から、おしゃべりや飲酒は他のお客様の迷惑になるので慎むようにと、気の利く放送がある。すぐに横になって眠りにつく。1度だけ目が覚めたが、次の瞬間はもう札幌、昨夜の雪で一面真っ白であった。

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函館駅に停車中の快速ミッドナイト

3日目に続く

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